Jinsen's パイプ

サミュエル・ガーウィズ: コモンウエルス

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 50%バージニア、50%ラタキア、ノー・モア。じつにすばらしいタバコ! 社の説明によるとこれは200年にわたって売れつづけてきたタバコという。ムムム。そうなのか!
 缶をあけると赤っぽい葉と黒い葉が半々。バージニアは充分ストーブされた葉らしい。おなじみのラタキアの香りが強い。ごく細かいリボンカットでやや湿り気がある。ボウルに詰めるのも楽だし、最初の着火ですぐ火がまわり再着火の必要なし。さいごまでゆっくりたのしめる。
 味は? これがじつにマイルドなんだ。このラタキアはまろやかで甘みがあり、もちろん香りが高い。ラタキアはこんなにマイルドだったかと考えて思いあたったのはふつうはオリエントで腰を強くしている。こちらはオリエント葉なしなのでラタキア味がストレートにくるんじゃないだろうか。ときどき熟れた果実の香りがくる。
 むしろバージニアがやや隠れてしまった感じがある。イングリッシュブレンドのラタキアの配量は最高でも30%といわれるからこれは異例なんだろう。ラットレーだったらここにバージニアのブライトをちょっと足してバージニア風味をつけたかもしれない。しかしガーウイズ社はあくまでもまっとうに、やや杓子定規に、初志貫徹したんでしょうね。そういえばほんの一瞬、ガーウィズ社おなじみの石鹸臭がくることがあってニンマリする。ガーウィズ社の石鹸臭、マクレーランドのケチャップ臭、どちらもいかにもという感じで微笑ましい。
 おなじラタキア物の人気タバコで、ダンヒルの965、ラットレーのブラックマロリー、レッドラパリー、マクレーランドのフロッグモートンと比べると、ダンヒルはオリエントが強すぎる。ラタキアの香りはいいけど味を消している気がする。ラットレーはかなりいいが熟成度の点でいまいち。マクレーランドは甘さとマイルドさが近いがぼくの心は違うゾ、違うゾといい続ける。マクレーランドのマイルドさは添加されたもので奥がなく、10分もすると飽きるが、コモンウエルスは吸いこめば吸いこむほど味わいがある。本来の葉の味が沁みでてくるのだ。
 その奥の深さという点だが、これと比べるとダンヒルもラットレーもいまのブレンダーの底の浅さがみえてしまう。オーリック社もコールハス社もいい仕事をしているが、ブレンドの熟成度に格段の差がある。コモンウエルスには巨体の偉丈夫が無骨な手で可憐な花束を持つやさしさがあるが、一方には小学生のやさしさ、そりゃやさしいには違いないがいかにもおさない、満身の力をためたやさしさが感じられない。200年の歴史は伊達じゃない。
 しかしぼくは(いつもしかしがつくが)ダンヒル、ラットレー(いまのブレンダーの)に親しみを覚えるときがある。たしかに熟成度の低い、青臭いブレンドだが、それだけにシャープで新鮮な閃きも感じる。それこそぼくのような年寄りの迷いで、昔を懐かしみつついまの世の中に生きている証拠なのかもしれない。

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by jinsenspipes | 2010-06-10 17:16 | サミュエル・ガーウィズ | Comments(6)
Commented by plug at 2010-07-27 21:33 x
こんばんは。
ラタキアがなんたるものか、今ひとつはっきりわかっていないです。
ただ、ラタキアといえば965っていうある種思い込みがあって、それがラタキアと思っていました。
で、今回これを試してみて初めて頭から尻尾まで楽しめるタバコという印象でした。バージニア、ラタキアそれぞれの味わいとボールから立ち上る煙の香り。自分のテクニックもあって正直大好きな965もたまにもてあまし気味の時があります。
これがうまくすえてる時はメンタルも落ち着いて心に余裕がある時なのかな?なんて思ったりもします。
かなり好きになりました。FVFも含めて。
Commented by jinsenspipes at 2010-07-27 23:12
>plugさん
965はラタキアの代表でやはり旨いですよね。
吸ったとき、燻製の匂い、やや脂っぽくて、ぼくは皮製品のような感触だと思うんだけど、それがラタキアです。
で、ベースにあるバージニアの、こちらはやや青臭い(英語圏だとgrassyという表現があります。あるいはhay-type、干し草の匂いですね)それとうまくブレンドされてます。
ただ965にはもう一種、バージニアの香りとは違う強い味がまじり、これがオリエント葉ですけど、ぼくには少しきつい感じがするんです。
コモンウエルスにはこれがなく、かわりにラタキアの含有量が多いので独特の甘みもでていい感じです。
ラタキアもオリエント葉ですが、燻製にしてあるので葉自体の味より香りが強くきます。
「頭から尻尾まで楽しめるタバコ」って素敵な表現ですね。
舌に感じる味覚、上口蓋(英語だとpalateといいます)の味覚、鼻に感じる匂い、この3種の絶妙なハーモニー。
たしかに「頭から尻尾まで」たのしめますねェ。
Commented by mifune55555 at 2010-11-24 18:25
じつはFVFと同時にコモンウェルズも買ってしまい、今吸ってますが、これ旨いっすねー。ダンヒル、ラットレーと以前ラタキア試してみましたが、やはり僕はラタキアが一番好きかもしれません。
Commented by jinsenspipes at 2010-11-24 21:44
>mifune55555さん
コモンウェルスは旨いです。
なんともマイルドなラタキアですね。
じつはぼくは今、グラウスムアをやってます。これ、好きなんですよ。
ユニークな風味と軽い味わい、軽快で昼間の一服には最適です。
SG社にはいいブレンドが多いですね。
ぼくはラタキア系、ペリク系、どちらも好きです。
そのときの体調で、無性にラタキアが欲しくなったり、ペリクが欲しくなったりします。
Commented by mifune55555 at 2010-11-24 22:37
グラウスムアって香りが独特らしくて好き嫌いがはっきり分かれるって聞いて怖くてまだ手をつけてませんねー。でもSG社のロープ煙草とか気になるんですよねー。
ブラックXXとかどうなんでしょうか?
SG社のこの四角の缶は両切り煙草が丁度スッポリ入るので吸い終わったらゴールデンバット入れてます。
ほのかにファイアダンスの香りづいたバットもなかなか好きです。
ペリク系の煙草ってまだ吸ったこと無いですね。
スリーナンズとかですかね?
何か面白い煙草とかあったら教えてください!
Commented by jinsenspipes at 2010-11-25 00:02
>mifune55555さん
グラウスムアは、そうねェ、花のような果物のような、ちょっと抹香臭いというか、ふしぎな香りがします。
どこかひろびろした野原にいるという感じがしてぼくは好きです。
ロープたばこはぼくは未体験です。
あ、SG社の缶は紙巻き入れにいいんですか。気づかなかった。いいこと教わった。
ペリクはスリーナンズがおいしいですし一番有名かな。
ただしラットレーのバージニア物、マーリンフレーク、オールドゴーリー、ハローザウィンド、どれもペリク入りです。とくにハローザウィンドはペリクが強くて、バージニアたばこというよりいわゆるVaPer(ペリク入りバージニア)といっていいくらい。
じつはたいがいのバージニアたばこにはペリクが入って腰を強くしてるんですね。
SG社にはセントジェームズフレークというペリク入りの逸品があります。
そうそう。G.L.ピースのストラトフォードはなかなかいいですよ。アメリカ人の作るたばこはコクはなくて薄っぺらいですけど、VaPerを知るにはいい入門たばこです。
でも一度スリーナンズを試されたらいいんじゃないかな。いまのスリーナンズはぼくが若い頃吸った味はとてもありませんが、それでもペリクを知るには最適です。