Jinsen's パイプ

マクレーランド: 2015 バージニア・フレーク+ペリク ( McClelland: 2015 Virginia Flake + Perique )

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 マクレーランドの第四弾はペリク入りである。
 ペリクについては、ぼく、いささか修行しました。発端は昔のスリーナンズ。もう20年近く前になるか、スリーナンズはほかのどのたばことも違う驚きの喫味があった。
 缶を開けるとジクジクと湿り、プーンと強い刺激臭。まるで肥だめの臭い。これは撚ったロープたばこを輪切りにして作ったので、つまむと解けそうである。1個1個つまんでボウルに積み重ねていく。火をつけると、その臭気にまじって強い甘みと酸味がくる。甘く、酸っぱく、臭いたばこだったが慣れるとこれが病みつきになる。ああ、これがペリクなんだと思いこんだ。
 このブログを始めて2010年、ひさしぶりにスリーナンズを買うと、おや、まるで別物だった。コインたばこには違いないが、乾いているし臭気もこない。吸ってみるとあの味はなかった。いや、ごくかすかに名残りがあるていどだった。
 製造者がオーリック社になり、ロープたばこではなく、コルク板のように薄く圧延したたばこをくるくる巻いたものになった。しかもおなじみのペリク味がほとんどこないので調べてみると恐ろしい事実があった。
 ベリクはアメリカのルイジアナ州の小さな集落、セント・ジェームズ・パリッシュで作られるユニークな品種でこの集落で栽培するペリク専用の葉のみを使う。ところがこの葉の栽培農家が激減し、葉の供給が不可能になったので、ケンタッキーのグリーンリバー・バーレー葉を買い付けて製造を始めた。1980年以来市場に出回るペリクは本物とこの偽物をまぜたものか、あるいはほとんどすべて偽物だというのだ。
 この詳しい事情についてはぼくのブログに記事があるのでお読みください(クリックで別windowが開きます)。
 ペリクの真実
 ペリクの真実 - 追加記事
 また、2010年にスリーナンズを吸ったレビューはここにあります。
 ベルズ: スリーナンズ
 ベルズ: スリーナンズ -again-
(じつはいまのオーリック製スリーナンズはペリクを含まず、ケンタッキー葉のみだとする説が有力のようだ)
 その後ぼくのペリク探訪は続き、ジャーマインの「ペリクミクスチャー」、SG社の「セントジェームズフレーク」などにいきつくのだがそれらについてはそれぞれの過去レビューをお読みください。
 さて。そこで。マクレーランドの2015である。
 ご覧のようなブロークン・フレークで、火をつけると、ムムム、これはおいしい。しかしスリーナンズの記憶味とは違う。違うけれどおいしいという複雑な気持になった。
 たまたま大好きなジャーマインの「ペリクミクスチャーが空いていた。このたばこはおそらく昔のスリーナンズに一番近いものである。かなり強い刺激臭(つまり熟成臭なんだが)があり、甘みと酸味も抜群に強い。足りないのは昔のスリーナンズの濃さというかしつこさで、ややあっさり味というところである。ペリクは偽ペリクだと思われる。
 では2015はというと、これは製造者のポリシーがまったく異なるという感じである。
 ペリクは単体で吸うと甘みも酸味もなくただどんよりしているだけらしい。ところがバージニア葉と混ぜて熟成させるとがぜん真価を発揮する。甘み、酸味を急増し、つまりバージニア葉に作用してその特徴を倍増させるらしいのだ。
 そこでペリク入りたばこのポリシーが2つにわかれる。一つはスリーナンズの方向でそういうペリクの性質を最大限に発揮させ、これぞペリクたばこという真骨頂を作りあげる。もう一つは主体をあくまでもバージニア葉におき、ペリクはバージニア葉の味を強調するていどに止める。ラットレーのマーリンフレークや、オーリックのゴールデンスライスドはこのおだやかな使用例である。
 2015も後者の方向で、ただしペリク色はかなり強く、バージニア葉がまるで違う葉に化けている感がある。
 どうやらぼくの記憶にあるスリーナンズのペリクの使い方のほうが異例であり、ぼくはずっとそれを追いかけていたようだ。
 2015はそれを反省させてくれた。そして、いわばまっとうにペリクを調合したこのたばこは、やはりおいしい。

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by jinsenspipes | 2013-06-09 22:48 | Comments(6)
Commented by HK at 2013-06-14 10:59 x
いつも楽しく拝見させていただいています。
パイプ歴数年程度の若輩が何かいうのも気が引けるのでいつもはコメントを控えているのですが、僕が愛してやまない銘柄が紹介されてうれしかったので、厚かましくコメントを残させていただきます。

蒸し暑い天候のせいで、最近はストレートのバージニアほど燃焼に気を使わなくていいVaperブレンドばかり灰にしています。
2015はかすかに酸味を含んだ濃厚な味が蒸し暑い陽気でも楽しい銘柄だと感じられます。GawithHoggarthのLouisianaPeriqueFlake――Jinsenさんのブログでで知ることができました。すばらしい銘柄を教えていただきありがとうございます――、Hearth&HomeのLouisianaRedと並んで、吸うタバコに迷うと思わず手が伸びてしまう銘柄のひとつです。

個人で探求できるタバコには限りがありますので、これからもこのブログで勉強させていただきたいと思います。
いつもすばらしい記事をありがとうございます。
Commented by jinsenspipes at 2013-06-14 11:08
>HKさん
やあ、ありがとうございます。
ご丁寧なコメントでうれしいです。

VaPer、おっしゃる通り燃焼がゆるやかで舌焼けもしない利点が大きいですね。
2015は初めてやりましたが、ほんとにおいしい。たのしいたばこでした。
GHのルイジアナペリクフレークはお買い得です。
あまり知られてないけど、味はたしかですね。
Heath & Homeのたばこはぼくは未体験です。よさそうですね。ぜひ、こんどやってみます。
ぼくは歴はながいけどいろんなたばこの体験はごく最近から、まだまだ初心者です。
HKさんも、いいたばこをみつけられたらぜひご紹介ください。

今日も雨もようでうっとうしいです。
Commented by HK at 2013-06-14 19:06 x
ご返答いただき、ありがとうございました。
H&Hはお気に入りのブランドなので、興味を持ってもらえてうれしいです。
大先輩にアドバイスなどおこがましいような気もしますが、教えてもらってばかりも失礼な気もしますので、数点お気に入りの銘柄をあげておきます。

H&Hで僕が気に入ってるのは定番?のAnniversaryKakeとLarry'sBlend先ほどコメントで挙げたLouisianaRedの3つでです。
AK独特の甘味のするVaper、LBはえげつないほど強烈なヘビーバルカンです。
LRはぺリクが強く主張したVaperで、ぺリクの酸味を楽しみたいときに手が伸びる煙草です。
またH&Hは、8オンス缶19ドルと安価な点もお気に入りです(強烈過ぎるLBは8オンスだと多すぎるかもしれません。僕は半年たっても、3割近く残っています)
また、マクレーは缶入りの銘柄にも名品はたくさんあると感じています。挙げればキリがないですが、とりあいずNavyCavendishをおススメしておこうかと思います。例のネガー臭も控えめな(皆無ではありませんが)銘柄です。記事を拝見すると、jinsenさんはマクレーランドのビネガー臭を無条件で受け入れられたわけではないようにも感じられたので、これを挙げておきました。
Commented by jinsenspipes at 2013-06-15 16:47
>HKさん
H&Hのお薦めたばこ、ありがとうございます。
Louisiana Red、Anniversary Kate、Larry's Blend。
3種しっかり記憶しておきます。
8oz缶$19とは、また格安ですね。うーんたしかに多すぎる。

マクレーランドのNavy Cavendishも憶えておきます。
次回の購入の参考にさせていただきます。
マクレーランドのケチャップ臭はだいぶならされました。
ほとんど感じることはないし、きても、あ、きたナと思うだけ。
以前は、これがきただけでほうりだしちゃったものですけど、慣れですね。

HKさんはたばこのご経験は豊富ですねェ。
ぼくはアメリカたばこについてはまったく初心者です。
これからも教えていただけるとありがたいです。
Commented by HK at 2013-06-15 22:25 x
ケチャップ臭、特に気になりませんでしたか。差し出がましいマネをしてしまいました……。(言い訳をさせていただきますと、ネイビィーキャベンディッシュは親しみやすさを抜きにしても美味しい銘柄です)。
それと、僕程度が経験豊富なんてとんでもない!
以前いた部署の先輩がパイプスモーカーで、よくたばこの交換をしていました。おかげで未熟者なりにそれなりの種類を味わえたおかげです(笑)。ちなみにH&Hは先輩のお気に入りでした。
アメリカものの知識がそこそこなのは、せっかく海外通販をするのならと、日本では妙に高額なマクレーやビュテラ等々や、そもそも海外でしか手に入らないハウスブレンドを優先的に購入していた貧乏根性のせいでしょうか。
そろそろ、イギリスものを勉強し直したいので、jinsenさんのブログからこれからも大いに学ばさせていただきます
Commented by jinsenspipes at 2013-06-16 00:25
>HKさん
いやあ、少し前まで、もう大嫌いだったんです。
ところがせっかくの宝の山を食わず嫌いで見逃すのはもったいない気になって。
おかげで慣らされました。
あ、先輩と交換ですか。それはラッキーでしたね。
たしかに円安になるとイギリス物などは国内で買うほうが有利だったりしますね。
ぼくもいきおい海外通販のたばこはバルクとか、マクレーランドとかになってきました。
HKさんとは逆で、ぼくはイギリスたばこから入ったのでアメリカたばこは新鮮です。
しかしマクレーランドのバージニアに慣れるとイギリスたばこの独自性とメリットがよくわかるようになりました。
これからもよろしくお願いします。