Jinsen's パイプ

オーリック: ゴールデンスライスド【R2】( Orlik: Golden Sliced )

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 しばらくマクレーランドのバージニアがつづき、ひさしぶりにこれを吸ったら、このたばこのよさを再認識した。
 国内で買えるし、価格も気安い。味もいいし、吸いやすい。まずは申し分ないんじゃないか。
 前にレビューしたのは海外通販で買った缶入りだが、こちらは国内で買ったポーチ入りである。開けてびっくりしたのはダンヒルのフレークのような板状の小片でなく、長〜い帯状フレークだった。
 上に載せた写真の一番上と右下はポーチに収まるように三つ折りにしたもので、真ん中によじれて見えるのが全長である。伸ばすと40cmくらいある。それを三つに折りたたみポーチに収めたので、見ためは15cm x 4cmのフレークに見える(それが一番上と右下です)。
 やや湿り気があり、やわらかい。これを繊維に沿って縦割りにし、くるくるッと丸めて詰めてもいいし、ボウルの深さに合わせて三つ折りか四つ折りにしてもいい。ダンヒルやFVFのようにしっかり固めたフレークだと丸めたりたたんだりするうちに折れたりばらけたりしやすいが、これは繊維がやわらかいので楽だ。板状のチューインガムを丸める感覚である。
 フレークたばこをほぐしたり千切ったりして吸う方がいらっしゃるが、ぼくはせっかくのフレークがもったいない気がする。リボンカットのたばこはうまく丸めても隙間ができ、そこで燃焼が止まることがある。フレークなら緻密に圧縮した繊維が連続するのでいったん燃えだせばまず消えない。しかもゆっくり燃えるからおなじ量ならリボンカットより5割増し長持ちするといわれる。
 着火に苦労すると思われがちだが、オーリックのこれはほとんどマッチ1本でめらめらと火がつく。ほんとに吸いやすいたばこだ。火さえつけば最後まで燃えつづけるが、それでも消えやすいとおっしゃる方はたばこが自然に燃える早さに合わせて吸ってないのだ。
 パイプたばこは燃焼剤が不在だから、ときどきあおり、火をおこしてやらなくてはいけない。パイプを吸うと、空気がボウルトップから入ってたばこを通過する。そのとき、火種が一瞬あおられ、細くなった火がポッと赤くなる。吸いこんだ煙がやや熱を持ったかなと思うていどで充分である。吸ってばかりいるといわゆるエントツになる。そこでこんどは口内の空気をパイプに吹き戻す。ボウルからはゆらゆら一条の煙がたっている。口内の空気を送るとき、そのゆらゆらの煙が乱れたり、あわただしくなってはいけない。少し元気づいたかなていどでよろしい。吹き戻しで火はボウルのなかで水平に燃えひろがる。吸うにしろ、戻すにしろ、これはたばこが自然に燃える早さに合わせるのである。そうでないと送りこむ空気の強さで火を吹き消したりしがちである。
 さて。喫味だが。
 ずっとマクレーランドのバージニアを吸い、この葉の特徴がわかってきた。しっかり熟成したバージニア葉は、甘み、酸味、果実の香り、花の香り、じつにさまざまな味と香りをだす。
 オーリックのこれはポーチをあけると、柑橘系の甘酸っぱい香りがし、そのさわやかな酸味と甘みがさいごまでつづくがこれは着香したものだとぼくは推測できた。マクレーランドでいえば着香たばこの5115とおなじである。バージニア葉は数種をブレンドしているらしく、「ゴールデン」の名称通りブライト葉の青臭さもあるし、またレッド葉のトースティな感じもあり、やや乾いた、やわらかくていい味が心地よい。ペリク葉がわずかにまじり、とくに後半はペリク味がでてくる。前半の着香した柑橘系の香りがとんで葉の味が直接くるのだろう。
 前のレビューで、お膝元のデンマークではパイプ喫煙者の90%がこれを吸っているというレポートを引用したが、つまりこれはまったくの大衆商品、量産品で、それが強みにも弱点にもなっている。安価なのにしっかりバージニア味がくる(海外通販だと2oz缶が国内シガレットの1箱半ほどの値段)。さわやかな酸味と甘みが心地よい。火つきも火持ちも抜群によい。これは大衆商品として最大の魅力になる。しかし、マクレーランドのバージニアのように奥深い、おもしろみというか複雑さというか、それがあるかというと、残念ながらまったくない。このたばこはデンマーク国内はもちろん世界に愛好家がいる大衆商品、いっぽうマクレーランドはアメリカのごく一部の好事家の好む嗜好品。生産量も違うし、狙いめも違うだろう(マクレーランドの5115は2ozだとオーリックの5割増しの価格帯だ)。
 ぼくはマクレーランドのバージニア(もちろんそれが理想とするイギリス物も含めて)が好きだがときどきオーリックのこれやマクバレンのバージニアNo1、ダンヒルフレークを買うときがある。マクレーランドはおいしいが、じっくり味わうなら静かな書斎で気持を鎮めたときがいい。屋外とか、パプでひょいと吸うたばこではない。いっぽうオーリックはどんな場所でも期待の味がきて裏切らないから気安く吸える。お部屋でじっくりジャズを聞くのも一興、パプでにぎやかなポップスを聞くのも一興。そんなところだろうか。

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by jinsenspipes | 2013-08-08 11:02 | オーリック | Comments(6)
Commented by D蔵 at 2013-08-10 14:48 x
お久しぶりです。

jinsenさんのこの記事を拝見して2年近く放置したままのこのたばこを思い出しました(笑)。
パイプを始めた頃はVirginia No.1とコレばかり、初心者にも分かりやすい甘さと香りでお気に入りでした。

早速2年の封印を解いて今喫っています(笑)、熟成と言うより乾燥が進んでいるんじゃないかと思っていましたがまだ大丈夫でしたね(笑)、パウチでも数年なら平気なのかもしれません。

思い出しますねーこの味と香り、花の香りでしょうか独特な香りがゴールデンスライスドの特徴ですよね、ヴァージニアの甘さと良く合います。
いやー、やっぱり美味しいです、次は缶入りを買ってちゃんと熟成させましょうか(笑)。
Commented by jinsenspipes at 2013-08-10 16:26
>D蔵さん
あ、2年おいたものですか。
ポウチも開けなければだいじょぶなんじゃないでしょうか。
ちゃんとシールドされてるし。
わかりやすい味でおいしいですよね。
ぼくもときどき欲しくなって買ってきます。
Commented by RYU at 2014-01-13 21:48 x
はじめましてRYUと申します。こちらのサイトでゴールデンスライスドを知って以来、ゴールデンスライスド一本になっています。火持ち、味、値段から常喫するには最高のタバコだと思います。外出用のタバコもアメリカンナチュラルなのでバージニア葉が自分には合うようです。
ただ問題が一つ。これはフレークタバコ全般なのでしょうが、手持ちのパイプのチャンバーに合わせると、ビミューに足りなかったり、多かったり。特にCANタイプのものだともったいない。皆さんどうされてるのでしょう。悔しいので、専用のサイズのパイプでも作ろうかと悩んでいます。
Commented by jinsenspipes at 2014-01-14 14:54
>RYUさん
はじめまして。ようこそです。
ありがとうございます。
ゴールデンスライスドはいいたばこですね。
おっしゃる通り、火つき、火持ち、味、文句なしで好感がもてます。
国内で安く買えるのも魅力です。
ぼくも、これとダンヒルのフレーク、マクバレンのバージニアNo1あたり、どれかかならずあります。
フレークたばこは分量がむつかしいですね。
適当な量をつまんで詰めるわけですが、ダンヒルとかサミュエル・ガーウィズの長方形の板となると、かならず半端がでたりします。
マ、それは次回にまわしたり、小さな端切れなら細かく砕いて着火用にボウルの上にまぶしたり、してます。
ただ、フレーク物は、少なめに詰めるのがいいです。
ミクスチャーより喫煙時間が長いし、ぼくはボウルの半分くらいの量と決めてます。
ダンヒルのフレークだと、縦に1/4に裂き、それだけで1時間近く吸えますから。
Commented by RYU at 2014-01-15 20:15 x
ご返信ありがとうございます。
はやりベテランのお方でもフレークは微妙に余るのですね。
どうも僕の場合は詰め過ぎだったようです。フレークの場合は詰めるというより、「乗せる」「置く」「刺す」といった形容詞が適切なのかもしれませんね。精進、精進。
色々教えてくださりありがとうございます。
Commented by jinsenspipes at 2014-01-15 22:59
>RYUさん
そうですねェ。たばこにもよりますね。
ゴールデンスライスドだとやわらかいから詰めてちょっと押したくらいでうまく収まるからしれない。
けど、FVFとか、マクレーランドの2035だと、固いですからどうしても隙間ができます。
見ためはきっちりだけど吸ってみるとスカスカだったりします。
その場合はタンパーでギチギチに押したりしてます。
やはり吸ってみていい具合に吸えるかどうか、たばこ次第ですね。
慣れるまで時間がかかりますけど、いろいろ試して、あ、できた! というときはうれしいですね。