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Jinsen's パイプ

journal: ペリクの真実

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 スリーナンズのペリク不在にがっくりきてネットで調べてみたら、あった、あった。興味深い最新記事があるので紹介します。ぼくも愕然となったペリクの現状です。下のリンクで記事サイトにとんでください。

 ペリク・タバコはアメリカのルイジアナ州のごく小さな地域、セント・ジェームス・パリッシュでのみ作られるユニークな品種で現地の先住民の作り方を真似た移住者が19世紀に開発、1917年現地に小さな会社、L.A.Poche Perique Tobaccoが設立された。この会社は地元の農家が栽培するペリク専用の葉を買い(この葉でないとペリクでない)、圧縮・貯蔵してペリクとして出荷していたが、肝心の葉を栽培する農家がつぎつぎに廃業、1980年代にはわずかに1軒だけで出荷は極端に減少した。おまけにパイプ・タバコ専用だったペリクだがごく最近アメリカン・スピリットを製造するSanta Fe Natural Tobacco Co.が紙巻きにペリク葉を使い始め、1軒になった農家の葉タバコを買い占めた。Poche社は供給源を断たれたが2005年、Mark Ryanという青年がPoche社を買収、専業農家ではないがペリク葉栽培の経験ある別の農家にペリク用の葉の栽培を依頼してかろうじて生産が続けられたというのだ。
 もう一つ重大な事実があった。Poche社は早くからペリク葉の行く末を案じ、その圧縮・貯蔵技術を使ってケンタッキーのグリーン・リバー・バーレー種のタバコ葉でペリク類似品を作っていたというのだ。地元のペリク葉の栽培は1軒の農家だけだし天候にも左右されて供給が不安定である。いっぽうケンタッキー葉はふんだんにある。1980年代以降市場にあるペリクはほとんどがこのケンタッキー葉にペリク葉を混ぜたもの、もしくはケンタッキー葉そのものだという。
 いやあ、知らなかった。ぼくがスリーナンズを吸い出したのが70年代半ばだからこの頃は純粋にペリク葉だったんだろう。その味を憶えていたからペリク不在を感じたが、どうやらいまはペリク入りといってもケンタッキー葉のペリク漬け(これはAcadian Periqueというらしい)が主流のようだ。

 いきさつを書いた最新の記事はここで読めます。
The Mystique of Perique, 2010
 もう一つはここ。
Perique has made a fiery comeback due to outside investors who are breathing new life into St. James Parish's uniquely pungent tobacco, 2008

 ペリクの歴史についてはここで読めます。
Wikipedia: Perique

 日本人がセント・ジェームス・パリッシュを訪ねた探訪記事がここにあります。
アメリカ煙草見聞録, 2005

by jinsenspipes | 2010-01-28 11:21