Jinsen's パイプ

2011年 03月 10日 ( 1 )

マクバレン: バーレーロンドンブレンド ( Burley London Blend )

a0150949_1745121.jpg

 ぼくはバーレー葉に明瞭なイメージをもっていない。バージニア葉はそれなりに経験してきたので味覚も嗅覚も鍛えてある。これじゃいけないと、いいバーレー葉を探すうちにこれが見つかった。
 デンマークのマクバレン社はバーレー葉についてはエキスパートでバージニア・オンリーのイギリスに対抗してバージニア+バーレーのキャベンディシュで名をあげた会社である。しかしこのブレンドは1965年に発表され、有名なバージニアNo1につづいて単体の葉の開発に熱心だった頃の傑作とぼくは信じている。
 バーレー葉100%。カタログでは木樽につけて熟成したとある。着香なし。ご覧のようにブロークン・フレーク状なのでたぶんまず加熱圧縮してイギリス風ケーキを作り、それをほぐしたものと思われる。イギリスの会社ならブロークン・ケーキとかブロークン・ブラグと名づけただろう。またブレンド名の「ロンドン」は無着香ということもあってイギリス風に製造したたばこというつもりだったのではなかろうか。
 このたばこでぼくは初めてバーレー葉の味を堪能できた。じつは若い頃ハーフ&ハーフとかプリンスアルバートとかバーレー葉は体験ずみなのにその後はバージニア一辺倒で忘れかけていた。で、1年ほど前、思い出すために吸ってみたらあまりにPG(プロピレングリコール)の臭いが強く、肝心のバーレー味はよくわからなかった。
 マクバレンのバーレーはじつにまろやかである。あたたかく澄明、ごくわずかに甘みと酸味があり、それもかなり控えめ。ときどきややトーストした気配を感じ、そういうときは紙巻きたばこを連想した。もともとバーレー葉は紙巻きたばこ専用に開発された葉だしアメリカの紙巻き独特のトーストした匂いはまったくバーレー葉の香りである。しかし紙巻きにはこのまろやかさや甘み、酸味は無くかわりに紙の匂いがきてしまう。やはりストレートに吸うのはパイプに限る。
 海外のレビューだとバーレー葉の描写にはnuttyという語が使われる。木の実風味というていどの意味だが、たしかにバージニア葉のほうは濡れていて含みが多いが、バーレー葉は乾いた、ドライなつやつやした印象が強い。ナッツを食べる感触がバーレー、おつゆたっぷりの果実を食べる感触がバージニアといえるだろうか。
 また糖分たっぷりのバージニア葉には例の独特のbite感、舌や口内がひりひりする感じがあるが糖分がほとんど無いバーレーにはそれがなくてじつにクール・スモーキングできる。もっともぼくなどはバージニアに慣れているのでbite感があると安心しちゃったりするのだが。
 このブレンドは100g缶で売られているがほかにバルク販売もあり、ぼくはアメリカの通販会社からバルク50gを買った。念のため海外のレビューを読んでみたら、これが100g缶のレビューなのだが、たばこの解説にわずかにバージニアが混ざるとある。さらにチョコレートのトッピングが加わるともあったが、さてどんなものか。ぼくはその香りは感じなかったし、バージニアも感覚できない。レビュアーのなかには「100%バーレー・オンリー」と書いたかたもいるのでぼくは自分の感覚を信じることにする。
 チョコレート風味についてはもともとバーレー葉はわずかこの香りがするといわれている。バーレー葉は糖分が皆無に近く、甘みもない。しかしこのブレンドには上品な甘みがある。もしかしたらやはりわずかのトッピング(あるいはケーシング)かなされているかとも思うがぼくはそこまで感覚できなかった。
 このたばこと前後してぼくはサミュエル・ガーウィズの「ケンダルクリーム」を買いそれについては前に書いた。そちらはバーレーとバージニアの葉組で、まだ少しのこっているので吸ってみると、やはりバージニア葉の存在を感じた。これもおいしいたばこでとくにKendal scent(ケンダル芳香)が素敵だが純粋にバーレーをたのしむのはマクバレンのこのほうが数段上である。しかしマクバレンを吸ったおかげでぼくはバーレーの旨さを確認できたので「ケンダルクリーム」のたのしみ方もまた増した。
 いい体験だった。

[PR]
by jinsenspipes | 2011-03-10 17:49 | マクバレン | Comments(4)