Jinsen's パイプ

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ラットレー: オールドゴーリー

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 ようやくこの名品が吸えた。うーん。評判どおり。おいしい。
 ラットレーの昔のパンフレットを読むと、pure virginiaタバコとしてブラウンクルーニー、ハローザウィンド、そしてこのオールドゴーリーの3種がのり、とくにオールドゴーリーはイギリス伝統製法で作られ、添加物も何もないバージニア葉オンリー、イギリス人ならvade mecum(必携)のタバコだ、とある。このパンフにはマーリンフレークは掲載されてない。そしてネットのタバコ販売店のカタログにはマーリンフレークはオールドゴーリー同等品と書かれていた。
 どうやらマーリンフレークとオールドゴーリーは、サミュエル・ガーウィズ社のフルバージニアフレークとベストブラウンフレークの関係とおなじと想像される。識者によると、SG社のフルバージニアとベストブラウンはおなじイギリス・ケーキから作られ、その後のフレーク処理の過程が違うそうだ。そしてフルバージニアはフレークそのものだがベストブラウンはブロークン・フレークが混在し、初心者には吸いやすいし、やや軽くしてある。ベテランは重厚なフルバージニアを選び、初心者はベストブラウンで充分そのよさを知ることができる。
 ラットレーでいうと、マーリンフレークは細切りフレークだがオールドゴーリーはブロークン・フレークで、やはりおなじ違いがある。細切りとはいえフレークタバコは敷居が高いというかた、またリボンカットに慣れたかたならほぼ同等のブロークン・フレークが吸いやすい。
 ラットレーは現在ドイツのコールハス社が製造するが、同社によると、マーリンフレークの葉組はダーク・バージニアのブラック・キャベンディッシュ+わずかのベリク。オールドゴーリーはダーク・バージニアにケンタッキー葉を混ぜ、やはりわずかのペリクを加えたとある。もともとはどちらもバージニア葉オンリーだったが、おなじ味をだすために隠し味としてペリクが加味され、さらにオールドゴーリーにはケンタッキー葉を混ぜて腰を強くしてあるようだ。しかしぼくの味覚ではケンタッキー葉は感知できない。このあたりはコールハス社の苦心の結果だと思われる。
 製法も、オリジナルはイギリス・ケーキから出発しているはずだが、いまはそんな手間のかかる製法はとらず、マーリンフレークはキャベンディッシュ製法で作られ、オールドゴーリーは(コールハス社の説明によると)3ヶ月ほど圧縮熟成したのち手でわらわらにほくどしたとされる。
 ペリクにしてもほとんどわからないていどである。いわれてみるとこの甘さはペリク独特のジュースのせいかと思われるていど。ペリク臭はまったくなく、隠し味になっている。
 ぼくはもともとのラットレー製品を知らないがコールハス社は苦心惨憺、オリジナルの味を現代製法でだす策をねっているようで好感がもてる。
 コールハス社のラットレーの一番の弱点は甘みが強調されている点で、スコティッシュ・ブレンド(ラタキア物)もこのバージニア・ブレンドもちょっと甘みが出過ぎている。このあたりは近年、お酒が甘口になりつつあるのと関係あるかもしれない。これも時代かと思うし、ぼくにしてもそれが嫌だというほどではない。

(追記)
 喫煙の後半で、いわれてみればケンタッキーかなという香りがあった。前半はまったくバージニアの香りのみだったが……。これは想像だが、このケンタッキーはペリクではないか。アカディアン・ペリクはケンタッキー・バーレーを漬けこむのでどうしてもケンタッキーの香りが残る。それではないかと思った。もっともいわれてみればそうかなというていどでほとんど感知できないのではあるが。

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by jinsenspipes | 2010-07-10 12:16 | ラットレー | Comments(8)