Jinsen's パイプ

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サミュエル・ガーウィズ:  グラウスムーア

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 ぼくの大好きなたばこでいつも手許にあるものだから紹介が遅れた。
 SG社の傑作のなかでもこれは特別の銘品で200年前から製造しているという。
 葉組はジンバブエ産のバージニア葉で、まず葉が金色に輝くまでスチーム処理、つぎにカットしたあとストーヴされてしばらく寝かしさいごに香りづけするとされる。
 喫味はよくストーヴされ練れたバージニアで、軽いが、とくに香りがすばらしい。甘く、花のような、果実のような香りともう一種、ハーブのようなちょっと癖のある香りがまじる。この香りはガーウィズ・ホガースのエナーデールにどこか共通する。SG社もGH社もイギリスの湖水地帯、ケンダル州にあり、ここはご存知ピーターラビットの絵本で知られる田園風景がひろがるところなのでこの香りは土地と関係あるのかなと想像したりする。
 いや、実際、おおありらしいのだ。
 海外のタバコレビューにこんな記事があった。投稿者はかってケンダル州のSG社を訪ねたことがあるという。
「グラウスムーアの着香ソースはここ湖水地帯にしかない花、果実、牧草の香りをミックスしている。すべて天然の植物から精製し、その調合は200年の歴史のなかでSG社の技術者しか知らない。類のないこの独特の香りはたばこ本来のバージニア葉のニュアンスを強調したもので、ドイツやアメリカのとってつけたような着香とはまったく別物である」
 なるほどそうなのかと思う。
 安出来の着香たばこはもっぱらバニラだ、マンゴーだと香りを強調し、肝心のバージニアはさっぱりこない。
 オランダのキャベンディッシュの傑作、アンフォーラのポーチにも同主旨の記載があった。
「アンフォーラの繊細な香りとその調合ぐあいはバージニア葉がもともと持つ味と香りにインスパイアされたものです」
 まじり気なしのバージニア葉だけのたばこも上手に吸うと甘み、酸味、バージニア葉特有の匂いにくわえて花や果実の芳香が香るときがある。熟練ブレンダーならそこにちょっとケーシング・ソースをかけたりスプレイしたりして部分を強調したくなるだろう。これが本来の着香たばこだとぼくは思う。どこを強調するかはブレンダーの資質によるが、イギリスの湖水地帯のブレンダーならやはりその地方の香りが、オランダのブレンダーならやはりオランダの香りが出て当然といえる。
 まずは、軽く、甘口、火つきも火持ちもよくて独特の香りがあるたばこだから着香嫌いのうるさ型には嫌われるかもしれないがぼくは好きですね。つい手が出る。いつやっても「お帰りなさい」と笑顔でむかえてくれるのがうれしい。
 なんか懐かしい感じがするんですね。

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by jinsenspipes | 2010-11-27 23:19 | サミュエル・ガーウィズ | Comments(11)