Jinsen's パイプ

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study: ザバディ氏に学ぶ(フレークの吸い方)

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 バージニア・フレークたばこについて、ポール・ザバディ(Paul Szabady)氏はニュースグループASP(alt.smokers.pipes)に多くのコメントを残している。無類の健筆家でその発言はわかりやすく勉強になるのでいくつか抜き書きを紹介したい。

「バージニア・フレークの喫煙をマスターするにはほとんど芸術的といえるスキルが必要だが、しかし努力の甲斐はある。習得すればするほどバージニア葉の知らなかった秘密があらわれてくる。バージニア葉の湿り気と喫煙温度はたいへん狭いレンジに収まり、その範囲で吸えば完璧な栄光があらわれる。湿り気が多すぎれば、煙は湿り、香りが失われる。乾きすぎるとヒリヒリするし、舌焼けする。乾き気味のほうが適しているとはいえきわめてデリケートだ。フレークたばこのほとんどは湿り気味にパッキングされているので、喫煙に適した湿り気にするには乾かさなければいけない。」

 バージニアたばこの喫煙には湿り気(逆にいえば乾きぐあい)と喫煙温度がかかわることは体験で感じていたが、こう書かれると、なるほど、味と香りがあらわれるレンジが狭いせいだと納得する。よくいわれるが、バージニアたばこは消えかかりがおいしい。熱くすると味わいはほとんど消える。

「ブライト、ゴールデン、レモン、イェローなどのバージニア葉はもっとも微妙でデリケートなバージニアの香りを味わえるが、それをリボン・カット(あるいはさらに細かい紙巻き用カット)にしてしまうと冷静かつ熟練したベテランでも手にあまる。それをフレークにしたものだけがゆっくり燃焼するクールスモーキングできるし、さらに熟成により、また他のバージニア葉とブレンドすることにより、鋭さをメローにできる。フレークのほとんどは多種のバージニア葉−−−おなじブライト葉でもさまざまな品種のもの、またレッド・バージニア、ストーブド・バージニア、さらにバージニア葉の下部の葉など−−−をブレンドしている。」

 フレークたばことリボン・カットのミクスチャーはおなじパイプたばこでもまったく別物である。ミクスチャーは細かく裁断したバージニア葉、ペリク葉、ラタキア葉、オリエント葉などをミックスし、その混ぜ具合、あるいは熟成による調合をたのしむがバージニア葉そのものの味の深さは曖昧になる。バージニア葉が内包する、ほとんど宇宙的とさえいえる味わいの深淵を知るにはフレークたばこ以外にない。

「クールに吸えば吸うほど香りはゆたかにくる。厚いフレークはゆっくり燃やさなくてはいけないし、たいへん、たいへんゆっくりした喫煙技術がいる。人が休んでいるときのかすかな呼吸に等しいほどである。着火や再着火の際は深く吸いこんではいけない。炎をたばこに近づけるためのほんの2、3回の吸いこみで充分である。軽く吸い、火種をボウルトップのたばこに広げる、必要ならまた火をつけ、トップのたばこがくすぶりだしたらつぎに火種をゆっくりボウルのなかに下ろしていく。ボウルの2/3ほど吸ったら灰を捨てるがわずかな灰色の灰は残すようにする。かならずボウルの最後まで吸いきること。最後の1センチほどが交響曲のクライマックスである。ボウルの半分だけ詰めて吸うか、小さめなボウルのパイプで吸うことで絶頂感を得られる。」
 ぼくが昔、フレークで苦労したのは吸いすぎるせいだった。ミクスチャーはマッチを近づければめらめらと燃え上がる。枯れ草を燃すようなものだ。ところがフレークは板状の固形物だから、いわば材木に火をつけるようなもので、よほどの火力(つまり強く吸う力)がいるもんだと思いこんでしまった。実際は逆なのだ。フレークは軽く火を近づければ、ポッと火がつく。じつに簡単に火がつく。そこでこんどはそれを吹き消さないていどのおだやかな空気を送りこむと火がゆっくり広がっていく。ミクスチャーを吸うときの半分くらいの空気量で充分である。むしろむつかしいのはふつうの呼吸の空気量では強すぎて、ポッとついた火種を吹き消してしまうことだ。前回ザバディ氏の「呼吸喫煙法」を紹介したが、やはり呼吸と、たばこの喫煙はわけたほうがいい。呼吸は鼻で続けておき、それより一段ゆっくりした吸い吹きで口のなかの空気を送りこんだり吸いこんだりする。
 誰もが指摘することだが、バージニアたばこはボウルの底の最後のところが一番おいしい。だからかならず最後まで吸いきるようにするのがいい。それがなぜなかはわからないが、ザバディ氏は長時間吸いつづけることでバージニア葉がストーブド・バージニアのように熱処理されるからではないかと推測している。

 さて。ザバディ氏が推奨するフレークたばこの詰め方である。

「フレークは揉みほぐして吸ってもよい。しかし揉みほぐすことで繊維を破壊するとフレークたばこの素晴らしさは半減する。ほぐさずそのまま吸うか、わずかにほぐすていどがベストである。そのための2つの方法がある。
1: フレークを鋏で小さな4角形に切りわける。大きさはパイプのボウルの内径くらい。それをパイプのなかに積みあげていく。吸いやすくするために小片2つをよく揉みほぐし、1つをボウルの底に収めて燃えかすを作らないようにする。もう1つはボウルトップに置いて着火を容易にする。
2: フレークを適当にちぎり、手のひらを合わせてよく揉みほぐし、だんご状にする。大きさはボウルの内径にちょうど収まるくらい。このだんごをいくつかボウルに収めていく。上から軽く抑え、ちょうどいい吸い心地の固さにする。」

 1は、スリーナンズの詰め方である。ザバディ氏はスリーナンズの愛好家でこれは直径1cmほどの円板。それをボウルに積み上げて吸った。ただしこれは昔の、つまりロープたばこをカットした製品でペリク入り。いまのスリーナンズは板を海苔巻き状に丸めたものだしペリクは無い。ぼくは今のスリーナンズは未体験だが外見はやはり1cmの円板のようだ。それに似せて板状のフレークをカットして吸う方法である。
 しかし、ぼくも試してみたが、うまくいかなかった。昔のスリーナンズは湿り気が多く、むしろベチャベチャした感じだったのでうまく吸えたがいまの乾き気味の板だと隙間が多すぎてうまく吸えないし、鋏で切るのはやや手間である。
 2は、いまぼくはほとんどのフレークをこれで吸っている。ダンヒルやオーリックはやわらかいので簡単にだんごにできるし、あまり繊維を破壊することもない。SGもBBFはこれで吸えるが、FVFは固いし厚いのでだんごにしようとすると割れてしまう。これはまた別の工夫がいるようだ。

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by jinsenspipes | 2014-02-14 16:47 | Comments(25)