Jinsen's パイプ

<   2014年 06月 ( 1 )   > この月の画像一覧

マクレーランド: ダークスター ( McClelland: Dark Star )

a0150949_22415799.jpg
 前にレビューした「22」はマクレーランドのパージニアたばこでは一番素朴な味わいだったが、その対極点にあってもっともストーヴされた、つまりこってり料理されのがこのダークスターである。社の解説には、糖分をたっぷり含むバージニア葉とカロライナ葉を使い、充分寝かせ、プレスし、ストーヴする、これを3度繰り返し、このゆたかでクールな味わいを出したとある。
 ダークスターはバルク売りの2035と同等品で、そのレビューは前に書いたが、まったくおなじだった。すばらしい果実味、前にマンゴーと書いたが、まさしくマンゴーを食べているような熟した甘みがある。「22」のほうはでゑさんのいう青リンゴ味、すっきりさわやかな甘酸っぱさが身上だが、こちらはねっとり舌にからんでくる熱帯性の甘みで、そこにバージニア葉特有の青臭さがからみ、何ともいえない芳醇な味わいとなる。
 では2035とまったくおなじかというと、さて、どうだろうか。いま手許に2035はないし、記憶をまさぐるしかないのでおぼつかない。
 しかし、おなじみのザバディ氏は、両者には違いがあると書いている。
「あきらかな違いがある。2035はカッターグレード葉を混ぜているがダークスターは使っていない。この葉はやわらかい感触だが味わいはやや平坦である(イギリスのプラグカットバージニアによくある味わい)。ところがこの葉をレモンバージニアと混ぜてストーヴすると、じつに錬金術そのままの魔術が出現するのである。一方、この葉を使わないダークスターには本来のレモンバージニアの味わいをより深く感じる。一服ごとにその味わいが立ち上がってくるのである」
 ああ! ここまで深くたばこを味わえたらどんなに素敵か!
 とうてい足許にもおよびませぬ。
(カッターグレード葉については2035のレビューをお読みください。といってもぼくの知識はほんの表層だが)
 じつはたまたまSGのFVFとBBFが空いていた。このあたりはぼくの常喫たばこなのでどちらかはたいてい空いているが今は両方あった。これもまたストーヴドバージニアの傑作で、ただ製法がそれぞれ独特なので味わいも変わってくる。そこで比べてみたのだが、といっても同時に2本のパイプで比較したわけではない。ある日ダークスターをやり、つぎの日SGのどちらかをやったのだ。
 すると、漠然とした印象ではどちらも果実味の強い類似のたばこと思っていたが、かなり違うことに気づいた。まず甘さの質が違う。BBFは酸味が強く、マンゴーよりオレンジ風味に近いか。さらに甘みの裏のバージニア味になるとかなりの違いがある。
 このあたりは文字で書けない微妙な味わいだが、やはり違う。BBFとダークスターはかなり似ていると感じたが、FVFはずいぶん違った。甘みの裏にたちあがってくるバージニア味が青臭さ、ときにお花の香り、樹木の肌のような味わい、じつに複雑多岐である。そして、喫煙がじつにクール、清涼、まったく熱さを感じさせない。世界のパイプスモーカーが理想とするクールスモーキングの極致がここにあった。
 しかし、そういう微妙な味わいに違いはあっても、とろんとした甘み + バージニアの芳醇な味わい、その方程式はこの3者に共通する。人口の甘味料でなく、天然の熟したマンゴーのような甘さ、その裏にたちあがる濃いバージニア葉の味わい、それがほしいときはきっと手がのびるのがこの3つのどれかである。バージニアの味わいの違いについてはその日の気分しだいということになるか。

[PR]
by jinsenspipes | 2014-06-13 15:37 | マクレーランド | Comments(21)