Jinsen's パイプ

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study: バージニアたばこを比較する

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 写真の前列3種、マクバレン「バージニアNo1」ダンヒル「フレーク」オーリック「ゴールデンスライスド」は廉価版バージニアたばこの代表種である。ぼくは朝一番はこのいずれかをやり、昼はアンフォーラなどの甘いたばこ、夜はSGのFVFかBBF、スクワドロンリーダーなどをやることにしている。写真のうしろにあるラットレーの「マーリンフレーク」は最安値の「No1」の2倍近くの価格になるが、たしかに相応の旨みもあるので参考にのせてみた。
 バージニアたばこは多くフレークで提供される。これはまずバージニア葉をプレスしてチョコレートの箱ほどの大きさに成形し、それを薄くスライスしたものである。写真のダンヒルが代表的なフレークで、これを4つ折りか8つ折りにし、円筒形(ラグビー球形)にしてボウルに詰める。火はたばこの縦の繊維に沿ってゆっくり燃え続けるのでバージニア葉本来の味がたのしめる。
 バージニア葉はときに舌がピリピリすることがある。Tongue Bite(舌を刺す)と呼ばれる。日本語の「舌焼け」はこれではなく初心者にありがちな軽い舌の火傷で、Tongue Biteはむしろ舌ピリといいたいところである。パイプたばこは強く燃やすとアルカリ性に傾き、これが舌ピリを起こすが、この現象はバージニア葉に多量に含まれる糖分のおかげである。ゆっくり燃やし、中性か弱酸性を保つようにしなければいけない。

マクバレン「バージニアNo1」
 パイプ入門書でかならず推薦されるのがこのたばこである。安価だし、火付きも火持ちも抜群。初めてのバージニアたばことしては最適である。
 このたばこはレディラブド、つまりフレークをあらかじめほぐした状態で供給される。これならリボンカット同様手軽に詰められる。
 初心者向きとされるNo1だが、バージニア葉の特徴はすべてここにある。甘みとわずかな酸味、ブライトバージニアのやや青臭い匂いと草を噛みしめたような味わい、初心者ならこれでバージニア葉の旨みをじっくり記憶すればいいし、上級者にとっては安定して吸えるたばこになる。
 たしかにSGのFVFのようにバージニア葉の極限を追求した深みのあるたばこもあるが、これは葉にかなり湿り気があり、事前に乾かさないと吸いづらいし、火付きが悪いので火が安定するまで苦労する。朝一番に吸うときはそういう手間ひまなし、てっとり早くシガレット感覚で吸いたいのでそちらは夜のお楽しみにしている。

オーリック「ゴールデンスライスド」
 バージニア葉の舌ピリを軽減するために使われるのがペリク葉である。この葉は酸性が強いのでバージニア葉のアルカリ性を中和するし、またバージニア葉の味を増すとされている。オーリックのこのたばこはわずかにペリク葉を加え、舌ピリはほとんどない(強く吸いすぎると起きるが)。またペリク葉特有の甘酸っぱさが加わり、おいしい。さらにごくわずかの香料が添加されているようで、No1より味が複雑で旨みがある。
 ポーチからとりだしたこのたばこは写真の通りだが、これは長いフレークを4つに折りたたんであり、伸ばすと全長は55cmほどになる。おそらく長辺60cmほどのケーキをスライスしたものである。
 これをダンヒルのフレークほどの長さに切り、折り畳んでボウルに詰めるが、やわらかいフレークなのでほぐして詰めてもよい。
ダンヒル「フレーク」
 これは4cm x 7.5cmのもっともフレークらしいフレークである。1枚およそ4g。やわらかい。ぼくの朝のパイプはダンヒルの2番のアップル型と、チャラタンの同様のもの、ボウルが小さいので1枚は収まりきれず、縦に半分に裂いて2gにしている。それを折り畳んでボウルに詰める。
 ペリクは含まないが、熟成させたせいだろうか、いい酸味があり、廉価版3種のなかで一番こくがある。丁寧に作ってあるのだろう。価格もやや高く、No1よりシガレット1箱分高い。参考にしたつぎの価格帯のマーリンフレークに近く設定されている。香料がかなり多種含まれ、味わいをましている。
 ダンヒルは今はオーリック社が製造している。オーリック社としては看板のゴールデンスライスドとダンヒルフレーク、ペリク入りとペリク無し、また香料のわずかの違いで区別しているようである。

【参考】ラットレー「マーリンフレーク」
 廉価版と比べると高価なので初心者は手をだしにくいだろうがこれはおいしいたばこである。ラットレー社が廃業するまではこれがバージニアたばこの代表とされていた。現在はドイツのコールハス社が製造している。
 ところがどうやらこれはオーリック製造のようなのだ。オランダのあるパイプクラブが独自のハウスブレンドを作ろうとコールハス社にレシピを送り、製造を委託したところ、ミクスチャーは自社で作るがフレークはオーリックに外注しているとの返事がきてやや鼻白んだと、あるブログに書かれていた。そういうこともあるかと思う。
 しかし、ラットレーのもともとのレシピのせいだろうか、このたばこの旨さは変わらない。これも若干のペリクが混じり味をゆたかにしている。しいて欠点をあげると、これはコールハス製たばこ全般の特徴だが、甘みが強すぎることだろう。ドイツ人は甘党なんだろうか。
 以前はフレークで供給されていたが現在は軽くほぐしたブロークンフレークである。No1ほど砕片でなくやや繊維がのこる。さらに軽くほぐし、詰めやすいやわらかさにしてボウルに収める。

 これらバージニアたばこの国際市場価格を調べてみた。およそだが、No1は5ドル(ただし100g缶10ドルもしくはバルク2oz5ドルで流通)。オーリックは7ドル(50g缶入り)。ダンヒルは11ドル、マーリンフレークは10ドル半である。この2種は国内だと差があるが、国際市場ではほぼおなじ価格帯にある。これで見ると、廉価版としてはNo1とオーリックが並び、一段上の価格帯にダンヒルとマーリンフレークが並ぶことになる。それぞれの価格帯の2種は、ペリク入りかペリク無しで、シャキッとしたブライトバージニアをたのしむならNo1かダンヒル、こってりしたペリク入りをたのしむならオーリックかマーリンフレークが、それぞれの価格帯に並ぶということになるだろうか。

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by jinsenspipes | 2014-11-23 11:08 | Comments(12)