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Jinsen's パイプ

パイプタバコの製造 -1

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 日頃たのしんでいるパイプタバコはどう作られるのか。
 ネットには厖大な情報があふれていてありがたい。お勉強したことをまとめてみた。

 1492年、コロンブスが北アメリカに達し、先住民の吸うタバコをヨーロッパに持ち帰った。

 先住民のタバコ喫煙法はじつにさまざまで、いまのタバコ喫煙のすべてにわたる。ヨーロッパ人はただこれを工業化しただけだ。マ、文明なんてそんなもの。人類10万年の歴史のなかで体験され、熟成された文化が500年ぽっちでは変わりようもない。ヨーロッパ人が見たのは、タバコ葉を噛む(噛みタバコ)、粉にして鼻から吸う(嗅ぎタバコ)、巻いて吸う(葉巻)、道具で吸う(パイプ)、分類すれば4種になる。

 噛みタバコはもっともシンプルでただ葉を噛めばいい。嗅ぎタバコは葉をすりつぶして吸う。数枚の葉をロープ状に撚ると保存に適した。細く撚ればいまの葉巻になるし、太く撚り、吸うときに端を刻めば噛みタバコにもまたパイプに詰めてもいい。現在のロープタバコあるいはツイストタバコである。加熱圧縮するプラグタバコの原型もある。大きな丸太の幹に穴をあけ、タバコ葉を押しこむ。上からきっちり栓をして数ヶ月おき、丸太を割ると固形物になっていて樹液が沁みて味わいもよい。この固形物は端を欠いて噛みタバコ、細かく刻んでパイプタバコになる。
 ヨーロッパ人はこの未知の文化を持ち帰り、自国に伝えた。スペインがもっとも早く、すでに1525年にスペインの船乗りがクレイパイプで喫煙した記録もあり、1530年にはスペインの下層階級に葉巻喫煙がみられたとされる。16世紀を通じてスペイン・ポルトガルの船乗りに喫煙の習慣がひろまり、ヨーロッパ全土に伝播した。イギリスには船乗りにより1560年頃紹介された。

 16世紀のヨーロッパでスペイン、ポルトガル、フランスなどラテン語圏には葉巻喫煙が広まったがイギリスはパイプ喫煙を好んだ。アメリカ大陸で育ったタバコ葉は樽に詰め、帆船でスペインに運び、ここからヨーロッパ各国に輸出される。イギリスも最初このスペイン物に頼っていたがのちに北米のバージニアに植民、タバコ栽培に成功し、1614年に初めての作物が到着してからは自国製に切り替える。翌年の1615年、ロンドンにはタバコ葉を売る店が7000軒あったというからタバコ喫煙文化の広がりは急速だった。

 17世紀はヨーロッパ全土がパイプをくゆらせる世紀となる。
 当然パイプタバコの製造が産業となるが、それは次回に。

by jinsenspipes | 2010-05-07 22:14