Jinsen's パイプ

ロバート・マッコーネル: マデュロ ( Robert McConnell: Maduro )

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 このたばこは同社のブランドのなかでもとりわけ有名でこれを常喫してきたロンドンの年配喫煙者は数多いようだ。
 ところがそういうかたにかぎっていまのコールハス社製は不評で「似て非なる物」とケナす人が多い。なにしろつい20年前までは本家のC.E.マッコーネル社のマデュロが吸えたわけだからそれももっともかもしれない。ぼくは本物は吸ってないのでそれを頭にいれてコールハス社製を買ってみた。
 缶を開けると真っ黒な葉っぱ。強いアルコールの匂いがきて湿り気がある。葉組はバージニア+ペリクで、ラム酒で着香しているのである。吸ってみると、う、やはりラム酒の匂いは強い。それとペリクの甘みと酸味がくわわり、ラム・ケーキを食べたときのようにお酒と甘みのまじった感触が心地よかった。バージニアの香りは薄く、特有の舌焼けもなく、とにかくクールに吸える。甘いたばこといってもいいと思う。悪くないじゃない。
 ブレンド名の「マデュロ」はスペイン語で英語なら「mature」つまり「熟成」である。この言葉は葉巻のラッパー葉によく使われていて特別の葉を高温でじっくり発酵させた物をさしている。このたばこもたぷん充分熟成したバージニア葉を使い、そのおかげで真っ黒なんだろうと思うが、それにしてはバージニア葉じたいの旨味に乏しい。おそらくオリジナルはダンヒルのロイヤルヨットのような独特の味わいをもっていて、年配喫煙者はそれがないのでコールハス製はだめだとするのではないか。もしこのたばこがロイヤルヨットのような深い味わいをもっていたらと想像すると、ああ、オリジナルを吸いたかったとため息がでる。
 いまのマデュロは、お酒とペリクの甘みでとろりとした、舌焼けすることもなくクールスモーキングできる吸いやすいたばこというところである。
 ところでつい20年前までこれを作っていたC.E.マッコーネル社は老舗中の老舗だった。1848年創業で1989年まで一貫して極上のたばこを生産してきた。1980年以降はラットレーたばこを外注生産し、ダンヒルの紙巻きを作っていた時期もあり、一説によるとダンヒルのパイプたばこがアイルランドのマレー社に外注される前後にマッコーネル社もそれを作っていたという。ピカ一のブレンダーだったが自社ブレンドのロバート・マッコーネル製品はダンヒルやラットレーほどの国際評価は受けなかった。つまりご商売が下手な職人気質の会社だったと思われる。1989年に廃業し、プラントはすべてドイツのコールハス社に移され、いまも稼働中とのことである。1989年といえばほんの20年前だ。その頃のイギリスではたばこ製造会社はほとんど廃業し、アイルランドのマレー社とロンドンのマッコーネル社、この2社だけといっていいくらいだった。したがって1980年代のイギリスのパイプたばこ、とくにロンドン製のパイプたばこはみなこのマッコーネル社が下請け生産していた。もちろん零細企業のサミュエル・ガーウィズ、ガーウィズ・ホガース、ジャーマインなどは零細のゆえに大企業の争奪戦をまぬがれ、生き延びたわけだが。
 ぼくはなぜかこのロバート・マッコーネルに愛着がわいている。職人気質の会社らしいという横顔もいいし、ほんの20年前まで生き延びた長命ぶりも素敵である。もう一種、マッコーネル物を買いこんであるのでつぎにそれも紹介したい。

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by jinsenspipes | 2011-10-16 17:56 | ロバート・マッコーネル | Comments(14)
Commented by くつした at 2011-10-17 01:59 x
くだらん質問ですが喫煙するに際して、1度吸いこみ、煙を吐き出す。で、次に吸い込むまでの時間は、どのくらいですか?というのも1ボウル40分で終える私は吸い込みのペースが早いかなとおもったのです
Commented by jinsenspipes at 2011-10-17 11:12
>くつしたさん
うーん。計ったことないですが、1分くらいでしょうか。
ぼくは呼吸は鼻呼吸、たばこは口と、わけてます。
ぼくの平常の呼吸は1分間に5、6回です。
だいたい呼吸5回に、たばこ吸引1回くらいの割ですから、1分くらいと想定しました。

ぼくは喉や口の粘膜が弱いほうなんですよ。
風邪ひきやすいし、口が荒れてしばらくたばこがまずいときがあります。
たばこを1回吸いこむと、一時的に口内がカッとしますよね。それが冷めて、平常にもどるまで口を休ませます。
だから1分のときもあるし、もっと長いときもあるはずです。

ただ、パイプは口から離しません。また、吸いこむのはたまにですけど、戻しはときどきやります。

1ボウル40分はちょうどいい時間じゃないですか?
ぼくの朝のパイプはダンヒルの2番のアップルで、小さいし浅いのでふつうのビリアードの半分くらいの葉しか入りません。
これでだいたい40分から1時間です。
くつしたさんのパイプもおなじくらいなんじゃないかな。
Commented by くつした at 2011-10-17 14:57 x
わたしは1分に4~5回 「すう はく」をやってます。ボウルは普通サイズなので、やはりペースは早いです。
なるほど1分に1度ですか。わたしは火種を消すまいと、わりとせっかちに吸ってるかんじは、ありますが、1分に1度でも平気なのですね。
わたしは、かつて成人してから生まれてはじめて煙草を吸ったときは口腔喫煙だったのにも関わらず翌日、喉が痛くなり、2,3日いたみは続きました。
そういうこともあるし、口のなかが煙草くさいのも、いやなので喫煙後は、ウガイをし、磨き粉なしで歯みがきをし鼻をかみます。
Commented by jinsenspipes at 2011-10-17 17:01
>くつしたさん
ハハハ。
パイプやったあとうがいと歯磨きですか。
ぼくもやや潔癖性で、パイプやったあと、口のなかが荒れた感じがするのが嫌なんです。
なので、ゆっくり、あいだをおいて吸い、吸い終わっても口のなかがさわやかであるように心がけてます。
吸うのは1分に1回くらいといいましたが、それだけだとたぶん火は消えちゃうでしょうね。
吸いこみはしないけど、いわゆるふかしている状態で、吹き戻しはたびたびやります。
鼻呼吸を2、3回するたびに1回くらいは戻してると思います。

パイプをうまく吸うコツは、ボウルのなかの火の状態を読むことなんですよ。
ボウルのなかだからそとからは見えませんが、吸った煙の暖かさとか勢いで、ぼうぼう燃えてるのか、消えかかっているのか、見当つきます。
もっと慣れてくると、たばこが自然に燃える状態を維持し、火が小さくなりすぎたら少し煽ってやれるようになります。
マ、尻ひっぱたいてやる、といったくらいの感覚ですね。
そうするとたばこが本来自然に燃える状態をつづけて、いい味を送り出してきます。
Commented by mifune at 2011-10-17 22:03 x
大変すばらしいレビューですね、欲しくなりました。
jinsenさんはメーカーから広告料を頂くべきですね。

「商売が下手な職人気質」
ありますよね、
良いのに消えていく商品。
悪いのに生き残る商品。
煙草に限らず何でも

良い者を作るのに商売の上手下手は全く関係のないはずなのですが、
消費者に良い物を見究める力無いのか、
商売上手であれば商品の良し悪しはあまり関係のない世の中なのかもしれませんね。
そもそも僕は今のパイプ煙草にかかる金額の倍以上の金額を紙巻煙草に何年も使っていたわけですから。
紙巻煙草の商売上手っぷりにはパイプ煙草も敵わないですかな。
Commented by jinsenspipes at 2011-10-17 22:44
>mifuneさん
ありがとうございます。
マッコーネルとか、アイルランドのマレー社とか、たばこ製造会社としては超一流だったようなんですね。
老舗で、歴史も古く、永年高い評価を受けてきた。
そこにダンヒルとかラットレーとか、若者が颯爽と登場し、時代の寵児となってもてはやされた。
とくにダンヒルは装身具や服飾にまで手をだして大企業になり、気がついたら企業内のたばこ売上比率は微小なものになっていた。そこで手間ひまかかるたばこ製造は外注に出し、やがては売却して手を引く。
そのとき外注先としてたばこ製造を引き受けたのが老舗のマレー社であり、マッコーネル社だったわけです。
しかしその老舗も嫌煙機運の時代の流れのなかで消えていく。
それを読んでさっさと手をひいたダンヒルのほうが賢明だったとする見方もあるでしょうが、ぼくはマッコーネルやマレーのほうに親近感を感じます。
といってもダンヒルのたばこはやはり優れていたから名前がのこったわけで、マレーやマッコーネルはそれだけ市場価値がある目玉商品を送り出せなかったところに老舗としての弱点があったわけですけどね。
パイプやりながら、いつもそんなこと考えてます。
Commented by くつした at 2011-10-19 00:34 x
空気をよむのも
ボウルのなかの火の状態をよむのも
うまくできません。
ところで赤毛のアンを読んだことありますか。
じつに面白い本です。
テレビで映画版を流したのですが、映像ではアンの養父がどうもメシャムパイプで吸ってるようなのです。それはどうでもいいのですが、アンの舞台となるカナダのプリンスエドワード島という島にはキャベンディッシュという町があるのです。なにかありそうです。

アンを読むと女の子になりたいと思えてきます。

なりたくありませんが。

Commented by jinsenspipes at 2011-10-19 17:25
>くつしたさん
うーん。煙を息でうごかして、その勢いから察して、燃えぐあいを読むんです。
それが読めないと、やたらぼーぼー焚いたり、逆に消えかかったりしませんか。
それぞれのたばこにはそれぞれの燃焼スピードがありますから、それに合わせて空気を送りこまないといけないですよね。
相手に合わせて吸ったり吐いたりしないとおいしい味をだしてくれません。
「赤毛のアン」は読んだことないです。
すいません。
Commented by くつした at 2011-10-21 00:42 x
またつかぬことをお聞きします吸い込んだ煙の何割を鼻から吐き出していますか。わたし自身は6割ほどだと思われます。嗅覚で風味を楽しむので10割を鼻から吐き出したのですが口腔の構造上むりですからね。できるだけ鼻から吐き出したいものです。
Commented by jinsenspipes at 2011-10-21 11:10
>くつしたさん
今朝、注意して吸ってみました。
ぼくは鼻から吐き出すことはないみたいです。
というのは、ぼくは鼻で呼吸し、たばこは口に入れて口から出す。2系統にわけてるんですね。
呼吸は鼻から吸い、肺に入れてまた鼻から出す。これはつねに平常にしてゆるぎません。
たばこは口だけなので、口内の空気の量を(たぶん)口と頬の筋肉で調整して出し入れしてます。
鼻で息を吸ってながら同時に口から煙を吐いてる、なんてことを自然にやってるみたいです。
ところが、不思議ですが、ときおり鼻から煙が出ることがあるんですね。
口から吸った煙が(2系統をまたいで)鼻にまわることがあるらしい。
このへんのメカニズムはよくわかりません。
無意識にやってましたが、くつしたさんに質問され、ぼくもこのあたりを確認したくなりました。
Commented by くつした at 2011-10-21 17:41 x

わたしの場合、まず煙を口で吸い込む。
その煙を一気に、鼻から6、口から4の割合で吐き出すという形です。
私はできるだけ沢山けむりを、鼻を通過させ嗅覚で香りを楽しみたいと思っていますが、JINSEさんにとって基本的に煙草は鼻の嗅覚で楽しむものではなく、口の味覚で楽しむもの、ということになりますか?
Commented by jinsenspipes at 2011-10-22 00:21
>くつしたさん
うーん。そうなるんでしょうかねェ。
ぼくは口から吸って口から吐き出す。
鼻は経由してないみたいなんだけど、前に書きましたが、ときおり鼻から煙がでることがあります。
ですから無意識に鼻にまわってるのかなァ。
いまパイプやってますが、こんな感じもします。
口から吸い、口のなかに含んだとき、香りだけ鼻に(というか嗅覚に)まわして、煙は口から吐く。
そういう書き方が正しいかどうかわかりませんが、とにかく煙は口から吐きますが、香りだけはどこかで盗んでる。
そんな感じです。
ほかのかたはどうなのかな。
うかがいたいなあ。
Commented by ぽんたろう at 2011-11-28 22:41 x
これいっちゃいましたか\(^o^)/
私は余計ななんも知らずに吸ったらこれがストライクでしたわw
Commented by jinsenspipes at 2011-11-28 23:08
>ぽんたろうさん
あ、ぽんたろうさんも。
ほんとストライクです。
あっというまになくなっちゃって、また買わなくては。