フリボーグ&トレイヤー: ゴールデンミクスチャー ( Fribourg & Treyer: Golden Mixture )

フリボーグ&トレイヤー店は1711年にロンドン市に開店したもっとも古いたばこショップの一つ。当時は嗅ぎタバコ全盛期で国王ジョージ4世もこの店の嗅ぎタバコご愛用だったそうだ。ロンドン市内に3店舗を持ち、とくにヘイマーケット地区に1720年に開店した店はロンドンの観光案内に名物店として紹介されてきた。
ぼくがこのたばこに興味を持ったのは理由がある。海外のたばこレビューを読むうちにおもしろい評があった。
「みなさんは1980年代、ごく短期間だがマッコーネル社が発売したエレファント&キャッスル(EC)という銘柄をご存知だろうか? じつに良心的銘柄でロンドン子に喝采で迎えられたが、その銘柄のThe Roanokeはじつはフリボーグ&トレイヤー(FT)のゴールデンミクスチャーだった。FT店のたばこは長くロンドンでは定評だったがこのゴールデンミクスチャーだけはどういうわけか絶版になっていた。EC社の発足時、マッコーネル社のケン・マッコーネルはそれを惜しみおなじレシピをEC社のThe Roanokeとして発売することにした。これはロンドン子には衆知のことでEC社のThe Roanokeはベストセラーとなった」
なんかそそられますよね。
FT店のたばこもEC社のたばこもマッコーネルが廃業する1989年に姿を消すが、FT店のたばこはその後ドイツの会社が復刻版を出すことになった。もっともFT店は嗅ぎたばこのほうが有名で復刻版の話題はもっぱらそちらのほうが繁盛しているようだがパイプたばこも出ている。当然コールハス社製と思ったがどうやらプランタ社製らしく、そのあたりの事情はよくわからない。
というわけで海外通販で買い、期待して缶をあけると、おっ、黄色葉のバージニアがびっしり。文字通り黄金色である。
火をつけると、ムムム、マイルド! じつにやわらかい煙。しかしバージニアの甘み、酸味はしっかりくる。青臭さはほとんど無いがバージニアの旨味は充分ある。うーん。こういうバージニアもあるんだ。
ダンヒルにしろラットレーにしろバージニア物はこの葉からいかに最良の味を引き出すかに専念しているように見える。たまたまSG社のFVFも空いているがこれもまたしっかり熱処理しながらバージニア葉の青臭さ、甘み、酸味をイヤッというほど出しきっている。しかしこちらは逆なのだ。バージニア風味は背後にのこしながら喫味はじつに軽く、まるで紙巻きを吸ってるよう、しかしやはりどこかにまぎれもないバージニア味が漂う。
ぼくはこれが1980年代のロンドンの「粋」なのではないかと思った。バージニア風味? そんなのはわかりきってる。わかりきったことをくどくどやるのは野暮というものだ。このたばこをやってご覧。風のように軽いだろ。シティボーイはこうじゃなくちゃ。通りの若者をみてご覧。いまはブレークダンスの時代なんだから。アハハ。
マッコーネルという会社はそんな会社だったのではないか。1980年代といえばダンヒルはすでに行方不明、ラットレーもマッコーネルに移管され、マレー社も青息吐息、パイプたばこの行く末も先が見えている時代である。まもなくアメリカのレーン社がブラックキャベンディシュの傑作キャプテンブラックを発売し世界一の売上を誇ることになる。そんな時代のバージニアなのである。
ロンドン一の名たばこショップだったフリボーグ&トレイヤー店は今は廃業し、お店だったところはスーベニールショッブになり絵葉書やら土産物やらを売ってるそうな。

やぁ、また楽しそうなたばこですね。
jinsenさんの記事を読み、私はグラウスムーアを想像してしまいました。
缶を開けると光り輝くような葉、火を点けると軽く、しかしたっぷりのコクと
バージニアの酪味が僅かに漂う・・・
このたばこも丁度そのような感じなのでしょうか?
“ロンドンの粋”ってのはまたイイですね。
古来より素晴らしい物作りをしていればこそできる、メーカーさんやブレンダーさんの
遊びでしょうね。
月並みな例えですが、江戸っ子が着物の裏地にこだわるような、そんな人間臭さがあふれていていいですね。
そう、グラウスムーアと似てるところもありますがちょっと違うんです。
あれはおいしい着香たばこですが、こちらはまったく正統派でバージニア葉オンリー、無着香、生無垢のバージニアです。
なのにFVFとかマーリンフレークと違ってほんわかやわらかい。
不思議なたばこです。
tango6さんはたしか紙巻きのダンヒルにバージニア風味を感じたとおっしゃってましたね。
それに似ているかもしれません。
もっとも紙巻きには紙の匂いがのっていわば雑味がありますが、こちらは正真正銘のバージニア味で、しかし軽いんです。
海外レビューの評者がいずれもライトでおいしかったと書いてますが、1980年代のロンドン子には大受けしたと思われます。
ひょっとしたらいまの若いかたにも受けるんじゃないかしら。
着物の裏地に凝る江戸っ子。
いいですねェ。
ほんとの江戸っ子は着物そのものより、裏地とか帯とか、めだたないところに気を遣ったそうですね。
それがわからないようじゃ本物の「粋」じゃない。
そんな感じがぴったりです。

しかしその軽さ、熱処理の過程などがグラウスムーアに近かったりするのでしょうか・・・興味は尽きません。
このところ目新しいたばこばかりレビューされてらっしゃるので、
色々と喫んでみたい銘柄が増えております。
いやはやこれは嬉しい悲鳴、ですね。
前回グレンパイパーの時に「フルアロマチックには抵抗のある喫煙者に最適」という一文を書かれておられましたが、
今はむしろ「ストレートバージニアに抵抗のある」方も多いのではないかと。
そこでこういったたばこが奥の深いバージニアワールドの港になって欲しいですね。
末永く生きて欲しいブレンドです。
そういえばボブズチョコレート、喫みました。
いやぁ素晴らしい。何枚のウロコが目から落ちたことでしょうか。
何を喫ってもウマイ!と感じてしまう自分ですが、これは本当に脱帽です。
このたばこは最早着香物の枠にとらわれていませんね・・・
但しこのたばこ、ひとつ欠点がございます。
・・・下品な話で大変恐縮ですが、よだれがすごい!
それほど美味しいたばこなんでしょうか・・・(いや、実際美味しいのですが)
体は正直なものですネ。
なんか、うれしいコメントで、ありがとうございます。
ゴールデンミクスチャーの軽さ、これ不思議です。ただ凄く燃焼が早くて気をつけないと過燃焼します。うんとゆっくり吸わないと。
リボンカットですが、細かくて、シャグみたいです。そのあたりも軽さに関係するかもしれません。
グレンバイバーはあきらかに通常のイングリッシュミクスチャーじゃない路線を狙ったものでしょうね。
1970年代当時だと、ベストセラーはアンフォーラやセイルなどオランダのキャベンディッシュでしたから、そこを意識してるかもしれません。
でも軽い着香バージニアだったらSGやGHがあるから頼もしいですね。
ボブズチョコレート、やりましたか。
ぼくも今回初めて吸っていっぺんにファンになっちゃった。
ハハハ。よだれですか。うむうむ。おいしい証拠なんでしょうね。
意識よりからだのほうが味を知っててパプロフ犬反応しちゃうのかな。
いいお話うかがった。

フリボーグ&トレイヤー、白いパッケージのを他のサイトで観て、気になっていマス。
たしか、あれもバージニア・ブレンドだったような気が・・・。
まだパイプを初めて五年も経ちませんが、Peaceを好きでずっと喫っていました。
『喫む』ってイイ言葉ですね。
あ、ぼくの書き方がわかりづらかったですか。
FTのゴールデンミクスチャーはバージニア葉のみのたばこです。
ただ凄く軽いのが特徴。
G.L.ピースは一つだけ前に吸いました。おいしいたばこですよね。
ただぼくはまだアメリカのたばこをたのしむまでいってなくてもっぱらイギリス物です。
これからオランダ、デンマークと、ヨーロッパ物をやってみようかと思ってます。
アメリカにたどり着くのはまだまだ先になりそうです。
「喫む」ってチャーミングな表現ですよね。
でもこれはあきらかに当て字なのでぼくは使ってません。
魅力ある使い方とは思いますが。
またときどきいらしてくださいね。
フリボーグ&トレイヤーと読むんですね
このブランドも気になってました。
1711年にロンドン市に開店ってことはSGよりも古いんですね。
僕は1792が昨日届きました。
これすばらしいです!
これ読み方は自信ないです。
フランス語だと「フリブール」で、実際スイスにこの名の都市があります。
とりあえず英語ふうに読んでみました。
FT社はもともとたばこショップで、製造会社ではないんですね。
たばこショップならもっと古い店もあったはずですが最近まで現存していた店としては最古だと思います。
ぼくらの知る歴史なんていいかげんなものでたばこ製造会社だってもっと古いのはたくさんあったはずです。
一番古いのはオランダで、イギリスにやられる前まではオランダが世界の中心でしたからね。
アンフォーラを作ったオランダのダウエグバーツ社は創業が1753ですが、途中で廃業した名も知らない会社はうんとあったはずです。
1792、気に入っていただけましたか。
よかったです。安心しました。
素敵でしょ。
よく読んでませんでした。
これのフレーク物が欲しいなーってネットで眺めてました。
僕はどっちかというとフレーク物が好きなんですよね、ただ見た目が旨そうってだけですけど。
そういや1792flakeは僕の場合ヘタクソなのか火点きが悪いんですよ。
僕もフレークは解さないんですが、1792はよく解さないと中々火を点けれませんね。
味の方は石鹸臭の無いGawith Hoggarthってとこですかね。
やはり僕はSGが好きだなあと再認識させられました
あ、mifuneさんもフレーク党ですか。
ぼくも両方あればフレークを買いますね。
火つきが悪いのはフレークの欠点ですね。
ついてしまえば火持ちはいいんですけど。
そういえばmifuneさんはバニラクリームのフレークを吸われたんですよね。
ぼくは日本で買うのでミクスチャーだけです。
こんど海外通販でフレークを買おうと思ってます。
ミクスチャーの方も試してみたいですね。
あまりにも旨いんで2缶連続でやると飽きてしまいましたが、ふとした時に欲しくなるので手元に一缶は置いておきたいですね。
フレーク試されたら違いなど教えてください。
今回はSGが大量入荷してるようなので、売り切れる前に1792に続いて、またまたファイヤーダンスをバルク購入してしまいました。
まだ吸ったこと無いNavy FlakeやBalkan Flakeも試してみたいんですがねー。
未知の欲しい煙草と、ストックしておきたい煙草が沢山あって困ります。
皆さんこうやってパイプの本数だとか煙草の買いだめが増えていくんでしょうね。
バニラクリームは昔から好きでアンフォーラと交互にかならず買ってました。
最近、またこのたばこの味わいで気がついたことがあって、オランダとデンマークのキャベンディッシュを勉強したくなりました。
SGが入荷したのはいいけどぼくの通販会社は火事場騒ぎらしいです。
ぼくは1792とコモンウェルスを注文したんだけど、ネット上では受けたのに、すぐ担当からメールがきて1792は手違いで売り切れちゃったというんですね。
そしたら直後に発送係のinvoiceがきて、こんどはコモンウェルスも抜けてる。
で、担当に「どしたの?」ってメールでなじったけど、マ、あきらめるしかないかと思ってたら、また担当のメールで「とにかく火事場騒ぎでどうしようもないけど、あんたのコモンウェルスだけは確保したから送る」という返事。
SGは、入荷すると即日売り切れ状態みたいですね。
mifuneさんの会社はたくさん入荷してるらしいですね。
あそこやや高いのと、送料が割高なんでちょっと考えちゃうなあ。
ぼくは買ったたばこは即、吸っちゃいますから、ストックゼロです。
行雲流水。貧乏人の知恵で、お金できたらまた頼めばいいや精神ですね。
みんなその場で火点けて火事みたいにモクモク吸ってるのかも知れませんね。
1792注文されてましたか
これホント旨いすね
はじめは穏やかなんですが、奥から香りが押し出されてくるような
吸えば吸うほど旨くなっていくような。
トンキン豆の着香物と思ってましたが、ほとんど自然なバージニアの香りですね。
僕はpipesandcigarで買ってますが、そこが送料一番安いと思ってましたが、もう一回しらべてみよー。
SGの工場ってネットで検索してみましたが、すごく小さいですよね。
ほんとにあれだけでやってるのでしょうか。
SG商店って感じですね。
アハハ。とにかく注文殺到で収拾つかなかったらしい。
あ、mifuneさんはPCでしたか。4nと思ってた。送料高いと書いたのは4nです。
SGの工場の写真ありましたか。
見たいなあ。
さしつかえなければアドレスか検索方法教えてください。
SGの商品不足についてはいろいろ取りざたされてますけど、よーするに、生産量が少ない、注文に追いつかないということらしいですね。

わたしもフレイクものが、すきです。最初のコロは火付きが悪く、苦手だったのが、中堅になってくると、こっちがよくなってきました。
行雲流水、ということば、初めて知りました勉強になります
よだれの話が出てますが、わたしは、喫煙時かならず、ツバが出ます。ぺっぺっぺっぺっと、やってます。それで屋外でしか吸えません。従って人前でも吸えまず寒い日は吸えません。コソコソすいます。
それとJINSさん、わたしには敬称は不要です。呼び捨ててください。どんどん、バカにしてください、いじめてください。

イギリス料理は最低と言われますがタバコは名品が多いのですね。スコッチといい嗅覚は発達してるんでしょうか。
チョコレート味です。
唾液はパイプ喫煙には必需品ですよ。わずかの唾液が味をよくします。逆に唾液が出ないときは口のなかが乾燥し、おいしく感じません。
ぼくも初心者の頃は唾液だらだらで、ボウルの底のほうがびしょびしょだった記憶があります。
これはパイプに向かないということかなと心配してましたが、いつ頃からかさほど出なくなりましたねェ。
たしかにイギリス料理は悪口いわれてますね。しかしたばこは断然イギリス。嗅覚がいいのかもしれませんね。
そんなこと考えたことなかったけど、いわれてみるとそうですね。
jinsenさんのことだからご存知だと思ってました。
素朴な工場ですよね
人んちかと思いました。
生産が追いつかないといっても、品切れが続くようになったのは
ここ最近じゃないんですかね?
僕がパイプ始めたころから品薄になったような気がします。
そういえば、僕はあと少しでパイプ歴1年になります。スゴイスゴイ
教えていただいて検索したらすぐわかりました。
今年の春の記事なのでみつけにくかったんですね。
うーん。
ほんと家内工業ですね。
日本では品切れしてませんが海外ではもう数年になると思います。
あ、1年たちましたか。
パイプも1年たつとおいしくなってきますね。
カーボンしっかりついて、味が丸く、しかもシャープになってきます。