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Jinsen's パイプ

ガーウィズ・ホガース: アメリカンデライト ( Gawith Hoggarth: American Delight )

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 ガーウィズ・ホガースのカタログに「アメリカン」と名づけたたばこが数種類ある。「アメリカンバニラ」「アメリカンウィスキー」などあっていずれも同社ご自慢のブラックキャベンディッシュに香りづけしたものである。そのシリーズの「アメリカンデライト」の説明に気になる箇所があった。
「このたばこはレイン社の『1-Q』のガーウィズ・ホガース版です。ケーシングとトップドレスに丸く、甘い香りを漂わせた着香ミクスチャーであります」
 エッ!?
 レイン社の「1-Q」は前に書いた。これは同社の看板たばこ、キャプテンブラック(青)のバルク版で、アメリカでもっともポピュラーなパイプたばこである。それのそっくりさんですなんてことを売り文句に書いていいものですかネ。ウィスキー会社が「我が社の『イングリッシュジョイ』は『ジョニーウォーカー黒ラベル』の我が社版です」など書こうものなら本家が青筋たてて怒鳴り込んでくるんじゃないかしら。
 で、とりあえず買ってみた。日本では2ozの缶入りが流通しているが、1-Qがお気に入りというわけでもなく、ほんとにそっくりなの? という好奇心からなので1ozだけバルク買いしてみた。
 いや、まったくそのものでした。バニラと焦がし砂糖風味、ちょっとフルーティな酸味、目隠しテストしたらまずわからない。たまたま前の1-Qがのこっていたので比べてみると、1-QはとにかくPG臭がきつい。こちらはそれがないだけである。ただこちらにもわずかなPGは加えられているらしく、強く吸い込むとPG臭がくることがある。それと本家はさすがに着香の香りが強く、GH版はややマイルドであっさりしている。
 しかし、このそっくりさん、GH社はどういうつもりで作ったのだろうか? イギリス人独特のユーモア精神の作だとすれば、アハハで笑ってすませる。このていどのたばこなら、ホレ、作ってやるというつもりだと、なにやら侮蔑の悪感情がうかがえる。アメリカ人はこれが好きなんでしょ。じゃんじゃんお買いなさいというなら商魂たくましすぎる。第一、アメリカ人なら本家の1-Qを買うだろうからいったいこれはどの国の購買層を狙ったものかまるでわからない。
 パイプたばこの世界にはぼくには不可解な謎がたくさんあるようだ。
 Altadis社のMatchシリーズにはDunhill 965 Matchなどとそっくりさんがたくさん販売されている。それを評したレビューを読むと、往年の本物そっくりとか、ちょっと違うけど旨いたばこだとか、書かれているが、現行商品としてあるオーリック社製Dunhill 965と比べてどうなのかという点には触れてない。パテントとか商標権とか、どうなってるんだろうか?
 とまァ、ここのところそんなことをあれこれ、推理してみたり、ネットの記事を漁ってみたり、してるんですがね。

by jinsenspipes | 2012-06-28 11:27 | ガーウィズ・ホガース