Jinsen's パイプ

ピーターソン: ユニバーシティフレーク ( Peterson: University Flake )

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 こんどはアイルランドのたばこである。
 パイブメーカー、ピーターソンの名はそのユニークな作りで知られる。ぼくも初心者の頃1本買い、しばらく愛用していたが、煙が上に抜けるあのシステムがうっとうしくなっていまは出番がない。
 アイルランドのダブリン市の老舗で、自社ブランドのパイプたばこもあるがそちらはおなじダブリン市のマレー社に製造委託してきた。パイブのピーターソン社、たばこのマレー社、並んでダブリンの名企業として成長したのだ。マレー社はのちにダンヒルたばこを委託製造し、また銘品、エリンモアも送りだすがお決まりの資本戦争に台無しにされていまは廃業している。現在のピーターソンたばこはドイツのコールハス社が作るが缶の包装にはピーターソン社のマークがあるからさぞ厳密な検査を受けて市場にだされていると想像したい。
 缶をあけると、3cm x 7cmのしっかりしたフレークが2列に並ぶ。4つ折りにしてボウルに詰め、火をつけると、わずかな甘みとあるかなしかのイギリス着香にまじっていいたばこの香りがきた。バージニア味をバーレーが丸くしている。着実にスローバーニングするたばこで吸いやすく、マイルドだ。
 日頃やってるバージニア・フレークほど強い個性はなく、とりたてて旨いというほどではない。いわばごくふつうのたばこというところである。しかし、吸いつづけるうちにぼくはこのたばこのよさがわかってきた。
 余談だが、ぼくの学生時代、常喫したシガレットは「いこい」だった。両切りで20本入り40円。もっと高価なたばこに香りのいいピースがあるし安いたばこなら新生がある。「いこい」はごくふつうの手頃なシガレットだった。シガレットはニコチンの補給が第一だし、まだたばこの味もよくわからない頃だから、適当に安価、吸えばたちまちニコチンが体内をまわるこれは手放せないたばこだった。

 ユニバーシティフレークはそんな位置にあるパイプたばこに思える。アイルランドのネットショップを見るとパイプたばこはピーターソン、ダンヒルのほかは自社ブレンドと見知らぬブランドが2種、それだけしか載ってない。価格はダンヒルが1割がた高い。ピーターソンはこの国のもっともふつうの、誰でもやるたばこではないかと想像する。価格についてはアメリカのショップもやはりダンヒルより1割がた安く、手頃な価格である。アイルランドたばこはニコチンがきついと聞いたのでもっともマイルドと評判のこれからはじめてみたが、それでもニコチンはかなり強い。フレークなので屋外でも吸いやすく、ニコチンの補給も充分、価格も手頃、まずは気安いたばこだった。しかも味はきわだってはいないがしっかりしているのだ。
 これを買ってから朝の一服はこれになった。今朝、試しにオールドゴーリィをやってみると、やはりその存在感は抜群で、香り高いバージニア味に恍惚となった。しかしユニバーシティフレークにはべつのよさがある。たばこの味はさほど主張してこないがゆっくりふかしているうちにニコチンが心地よく体内をめぐり、夏の陽射しにきらきら光る庭の木立がきわだって美しく見えてくる。感覚がひらき、心がうごきはじめる。おだやかでつつましいたばこである。
 アイルランド人というと気性が激しく、アメリカに移民した当初はニューヨークの警官や消防士はみなアイルランド人だったそうだが、このたばこをやっていると、じつは心のやさしい、質実剛健、自然と調和するおだやかな時間の経過をなによりとする愛すべき人たちなのではないか。そんなことも考えた。

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by jinsenspipes | 2012-08-14 20:42 | ピーターソン | Comments(12)
Commented by mifune at 2012-08-15 20:08 x
ついにピーターソンきましたね
jinsenさんはピーターソンレビューが無いので嫌いなのかと思ってました。
ぼくは3pパーフェクトプラグを試して気に入りましたので
他のはどうなのか気になってました。
僕にとってアイルランドは不思議で
好きな音楽、映画など後々調べてみるとアイルランド人によるものだったりすることが多くて、もしかして煙草も僕好みなのかなとか思っています。
Commented by jinsenspipes at 2012-08-15 21:54
>mifuneさん
アイルランドのたばこは気になってたんですが手がでませんでした。
このユニバーサルフレークは一番おとなしそうなたばこです。
あまりアイルランド色は濃くないかもしれない。
つぎはもっとお国柄のでたやつを試します。
アイルランド系の役者さん、魅力ありますよね。リーアム・ニーソンとか。
Commented by mifune at 2012-08-15 22:29 x
あ、彼もアイルランド出身でしたか、知りませんでした。
地味ですがシンドラーのリストからスターウォーズまでこなす名優ですね。
僕はLARKのピアース・ブロスナンがアイルランド出身ときいて驚きました。

さてそろそろ何か煙草の注文をしようと思います。
何にしよーかなー。

Commented by jinsenspipes at 2012-08-15 23:36
>mifuneさん
あの巨体、あの顔立ち、まぎれもなくアイルランドですね。
ピアース・ブロスナンもそうでしたか。知らなかった。
ユアン・マクレガーをぼくはアイルランドだと思ってたらスコットランドなんですね。
ショーン・コネリーはスコットランド生まれだけど両親はアイルランド。
UKのハイランドとアイルランドは何か共通点があるみたいです。
バグパイプもそうだし。
ぼくはここのところマクバレンの100g缶をいくつか買ったのでなかなか空きません。
空かないとつぎを買わないのでしばらくストップし、ようやく今週発注しました。
Commented by くつした at 2012-08-17 10:03 x
MIFUさん同様、わたしもJINSEさんがピタソン吸わないのが不思議で、ついにきた、という思いです。
この銘柄は吸ったことないですが、他のピタソンパイプ煙草もどれも旨くないです。3pも旨いと思いませんでした。もう一生買わなくていいメーカーです。

アイルランド人は本当に気性が荒いんでしょうか。どうもあの国土や音楽を思うと穏やか系に感じられます。米においてアイル系が社会階層の下っぱだったと聞いたことがあります。なので警官系が多かったというのが本当なら、3Kの職にしかつけなかったからなんじゃないかと勝手に想像します。あくまで想像です。

「いこい」40円には驚きました。そんな安かったとは。わたしも、ただ吸うために、バットやしんせいを、たまに買います。
Commented by jinsenspipes at 2012-08-17 22:50
>くつしたさん
ありゃ。そうでしたか。
ぼくはこのユニバーシティフレークにいつもとは違うよさをみつけたので、
ほかのも試してみようと思いました。
アメリカの移民については遅れてきたせいもあるらしいですね。
詳しいことはぼくも知りません。
ぼくが「いこい」を吸ってたころ日本初のフィルタつきたばこ、ハイライトが出たんですよ。
これが20本入り70円でした。
ぼくのまわりの友達はちょっと無理してこれに切り替えてたけど、
ぼくはそれから長いこと両切りの「いこい」に執着してました。
Commented by くつした at 2012-08-18 05:24 x
なるほど、「1960年ハイライト発売70円」だそうですが、いま410円ですね。
カネの価値が変わってるとはいえ、すごい上昇率ですが、こうした時代の変遷というものをJINさんは、どうご覧になってますか。
Commented by jinsenspipes at 2012-08-18 11:16
>くつしたさん
そんなむつかしい質問されても。
そんなもんのかなァと思うだけです。

前にくつしたさんが書かれたことですが。
アイルランド人の気性についてはぼくはまちがった印象をもってたようですね。
ハリウッド映画とかアメリカ人の書いたものとかに害されていたのかもしれない。
くつしたさんが「穏やか系」と感じておられたら、ぼくはそれをこのたばこを吸って初めて知ったのかもしれない。
そう思うと、文化というものの奥深さを思い知らされます。
Commented by くつした at 2012-08-22 14:11 x
先日は変な質問してすいません。わたしは、
アイルランドのザ・コアーズってバンドが好きです。


本日、手巻たばこを買って吸ってみました。
無添加の「マニトウ・青」なるものです。手動で巻きます。不器用なので苦労してます。
これはこれで中々オツなものでした。味は例えばハローザウィンドにはとおく及びませんが。
JINさんは、手巻には興味ありませんか。
Commented by jinsenspipes at 2012-08-22 22:42
>くつしたさん
いえいえ。とんでもない。
アイルランドのバンドについてはまったく無知です。すいません。
手巻きは、昔、ヨーロッパを旅してた頃やってました。
当時、日本ではシガレットは安かったけど、ヨーロッパはバカ高でした。
パイプも持ってたけど、手巻きのほうが簡便でね。
もっぱらClanのシャグ葉で、紙はDrum。あちらの学生がみなさんこれでした。
帰国してからはシガレットに戻り、手巻きとは縁がなくなっちゃった。
Commented by くつした at 2012-08-23 00:20 x
そうでしたか。
紙自体にも燃焼剤でも入ってるのか、もえやすいのと、燃えにくいのがって面白いです。どうでもいいことですがアイルランドは英国に虐げられてきた感じがあって贔屓したくなります。
リーアム・ニーソンのアイルランドの独立する映画、わるくなかったです。
The Corrs のBreathless、気が向いたらどうぞ。いい歌です。
Commented by jinsenspipes at 2012-08-23 11:18
>くつしたさん
手巻きのたのしさってあるでしょうね。
リーアム・ニーソンの「マイケル・コリンズ」ですね。ぼくは未見です。
そういえばリーアム・ニーソンは北アイルランド出身なんですね。イギリス人なわけで、微妙ですね。
音楽のほうはもし機会があれば聞いてみます。